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スピリチュアリズムのBlog

スピリチュアリズムの日々の実践を心がけておりますスピリチュアリスト兼カウンセラーのブログです。生まれてこのかた無宗教です。またいかなる思想的団体とも関わりがありません。単独で活動することを信条としています

『天国の住民が教えてくれること』

ヨーロッパで活躍中のミディアム(霊媒師、チャネラー)である、ポール・ミークさん。
その自伝、『天国の住民が教えてくれること』を初めて読んだとき、私はもう感動で最後まで涙・涙でした。
また、どれほどの霊能力があっても、その人のモラルや人格も同時に高くなければ、一流にはなれない、ということも改めて考えさせられました。
けれど残念ながらすでに絶版で、入手はほぼ不可能のようです(私は運よく図書館で見つけて読めました)。

ミディアムの視点から霊界や霊界通信のことがわかりやすく、しかも豊富に書かれている貴重な良書。
できればぜひ復刊していただきたい!という願いをこめて、その一部をお借りしたいと思います。

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ミディアムとしての責任


【ミディアムの原則】

ミディアムの能力を知りたければ、大勢の前で行なう霊界とのコンタクトを見るとよい。
偉大なミディアムなどいない。
偉大なヒーラーもいない。
偉大な霊がいるだけだ。
神の力なしでは、指導霊、支援霊たちの助けなしでは、つまり、平たく言えば、霊界がなかったら、ミディアムはお手上げだ。

壇上に立つことは華やかでも何でもない。
大小の教会、町の集会所、劇場やテレビのスタジオで働くことは、正直言って、大変な仕事である。
度胸がなければならないし、霊を完全に信頼していなければならない。
そして、絶えず学びの姿勢がなければならない。
何らかの新しい状況や新しい体験がいつも待っているからだ。

ミディアムは、依頼者が知りたいことを伝えるだけではないのだ。
受け取ったメッセージを正確に解釈して伝えなければならない。
それ以外のことを言ってはならない。

また、霊界から無理に霊を呼び出すことはできない。
霊界の人々は彼らの自由な意思でコンタクトをして来るのであり、この世の私たちはコンタクトをとってきた彼らを喜んで受け入れるべきである。

本物のミディアムは、自分たちの伝えたことのすべてに責任があると自覚しており、真剣に仕事をしている。
ミディアムは霊からのメッセージの真の意味を全部わかっているわけではない。
それでも、コンタクトをとっている霊や指導霊に責任を負わせることはできない。

指導霊がミディアムにメッセージを伝えると(メッセージは言葉で来るとは限らず、絵やテレパシーによる情報、ヴィジョン、シンボルなどでも来るから)、ミディアムは通訳して自分の言葉に置き換え、メッセージを受け取る側に伝えるのである。
だから、ミディアムは発する言葉、一言一言に責任を負う必要がある。

ミディアムは霊界の人々に対しても同じ責任を負う。
私はこの仕事を始めてからその事実に気づいた。
その事実が痛切に感じられたことが一度あった。


【メッセージを否定した女性】

ロンドンに住んでいた数年前のことである。
ある時、夜の特別行事に出てほしいと頼まれた。
ミディアムが大勢の前でする霊界との公開コンタクトである。
そのスピリチュアリスト教会は新しいオルガンを必要としていたので、私は教会のためになるならばと、無料奉仕することにしたのだ。
充分に宣伝をしたおかげで、教会は大満員だった。

教会に入ると、古いオルガンの奏でる音楽が聞こえた。
それから全員が賛美歌を歌った。
その歌声は私を大いに奮い立たせた。
実際、音楽ほど、特に歌声ほど霊界とのコンタクトのための波動を高めてくれるものはない。
歌声の響きに私の心は温かくなり、私はやすらぎを感じた。
「すべてうまくいくだろう……」

心配そうな顔の海原があった。
教会に集まった人々の心のうちには、「霊界からのメッセージがもらえるかしら」とか、「母さんがコンタクトに現れて、私の重大決心のことでアドバイスしてくれますように」などといった思いがあった。
私は思いを読み取り、壇上に上がった時、毎度のことだが、不安になった。
ミディアムというものは、人々から出ている感情の状態や、期待の思いをすぐに感知するからだ。
しかし、そこにはオルガン基金集めに協力している、大変尊敬されているミディアムの顔も何人か見えたので私は嬉しくなった。

私か開会の祈りを始めると、不安感は消え去り、心は何とか落ち着いた。
最初のコンタクトからすんなりとメッセージを受け取ることができ、聴衆の一人に問題なく届いた。
なぜか教会のエネルギーはその晩は特に良く、霊界の愛する人たちからのメッセージは、教会に来ていた人たちに難なく届けられた。
しくじることはあり得ないといった状況だった。
すべてはうまく流れ、この上もなく順調だった。
ユーモアたっぷりのメッセージもいくつかあって笑いの渦さえできたほどだ。
死後存続の明瞭な証しがあり、感動的なものもひとつふたつとあった。
涙を流す人もいた。

時間が過ぎて、終わりに近づいた時、教会の後ろのほうにいた女性の上に光が見えた。
これを今夜最後のコンタクトにしようと思った私はその女性に話しかけた。

私は彼女に、霊界から父親が来ていることを伝え、父親の名前を彼女に告げ、続けて生年月日と地上にいた頃の外見も伝えた。
女性は、情報が確かにその通りだと認めた。
海辺に住んでいた叔母からのメッセージも続けて伝え、子供時代に叔母と何度も休暇を過ごしたことがあるはずだと言うと、女性はこれには本当に嬉しかったらしく、初めて笑顔になって言った。
「そうなんです。私は叔母が大好きでした。海辺で過ごした子供時代の思い出をよく振り返っています」

その時、突然、頭の中で声がした。
『お願い、母に私か来てるって伝えてほしいの。霊界で助けてもらったからもう大丈夫だって言って!』と、若い女性の声だった。

「霊界に娘さんがいらっしゃるようですが。必要だった助けは見つかったと伝えてほしいということですが。お心当たりは?」
すると、女性は不機嫌になって、とんでもないことを言われたかのように見えた。
「私には霊界に娘などおりません!」

すぐに、まずい状況になったことがわかった。
私は指導霊のラルフを呼び出して、このコンタクトの手伝いを頼んだ。
私は間違った? 
ほかの人のつながりとごっちやになった(つまり、初めの部分はその女性とのつながりだったが、今の部分は教会に来ているほかの人に関係がある)?

その時、私の前に突然、若い女性がもやのような光の中に立っているのが見えた。
心の中で、「どなたですか」と尋ねると、『娘のダイアンです』と答えた。
私は唾を飲み込み、大きく深呼吸して、勇気を奮い起こして言った。

「失礼ですが、そうおっしゃっても、21、2歳ほどの若い女性が見えるんです。
ダイアンという名前だそうです。
私は、母娘の関係であるという感じがします。
霊界には娘さんはいないとうかがいましたが、もう一度考えていただけませんか?
もし娘さんでないとしたら、ごく近い方かもしれません」

その女性はかんかんに怒って叫んだ。
「何てことおっしゃるのですか! あなたは馬鹿なだけじゃなくて、耳も聞こえないわけ?
言ったでしょう、私には娘なんかいないって! 
いい加減にしてください!」

私は次にどうしたらよいか本当にわからなくなった。
教会全体が気まずくなってしまい、教会中の大の目が私に注がれ、ミディアムの友大たちは私に小声で言い始めた。
「ポール、放っておいたほうがいいよ!」
「ポール、間違ってほかの人とつながってるんだよ。すぐ止めて!」
ミディアムの友人たちは私の味方で、私を助けてくれようとしているのがわかった。

教会側はすっかり慌てていた。
それから、再びその若い女性を見ると、とても落胆しているようだった。
突然、言葉が私の頭に入ってきた。

『生きている時、母は私を全然愛してくれなかったわ。
そして今は、私なんか知らないと言う。
二度とコンタクトをとらないことにするわ。
私は母に言いたかっただけなの。
私がしたこと、悪かったって。
そして、母さんを愛してるって』

私は感動に震えた。
私は単にその場から逃げてしまいたいと思っていたが、それもできないでいた。
彼女に心で頼んだ。
あの女性があなたのお母さんだったら、私かそれを証明できるようなことを教えてくれないと!

私は自分の指導霊チームにいつもよりずっと近づいてこの難しい一件を助けてくれるよう頼んだ。
ほとんど瞬間的に映像がいくつか現れ、テレパシーで情報も受け取った。

「お願いです」私は婦人に言った。

「どうか、私のこと怒らないでください。2,3分間だけ私に話させてほしいのです。
私が言わなければならないことを聞いてください。
もし受け入れられないとか、理解できないということであれば、その時は謝ります。
そしてこのコンタクトは終わりにしますから。
若い女性がコンタクトを望んでいるのです。
麻薬の使いすぎで、21歳くらいで亡くなっています。
麻薬中毒だったと思います。
今、彼女は、あなたに与えたあらゆる苦しみについて、心から申し訳なかったと謝っています。
ダイアンという名前が私の頭から離れないのです。
それから、彼女はぬいぐるみのウサギを見せていますが、その意味はおわかりでしょうか? 
彼女は9月27日のことを話しています。
あなたに花を贈るそうです」

私がさらに話し続けようとした時、その婦人は立ち上がって私の話を遮った。
「娘は私から小切手帳を盗んだのよ! 
娘は話にもならないような麻薬中毒になって私の結婚生活をめちゃめちゃにしたのよ!
娘が死んだあと、私は精神病院に送られたわ。
神経が完全にぼろぼろになっていたの。
過去二年間、私は精神病のセラピーを受けたんです。
治療のひとつは、私の娘は死んだという事実を受け止めることだったわ。
娘は死んだのだから、もう私を傷つけることはできない。
私をこれ以上めちゃめちゃにしないで!」

攻撃性に満ち満ちて、それほどまでに傷を負った彼女の声に、教会にいた全員がショックを受けた。
私は胃が変になった。
その雰囲気、緊張に、息が詰まるようだった。
何人かの人がこの母娘のために静かに涙を流していた。
祈る人もいたが、残りの人たちはただ私か次に言う言葉を待っていた。

ダイアンは私に、『小切手帳は盗んでないわ。盗みたかったけど、盗みはしなかった。以前の寝室の窓辺にある本にはさんでおいたと伝えて』と言った。
彼女は母親に許しを求め続け、母親のことを深く愛している、それに、母親がまた絵を描き始めたので喜んでいると続けた。

私はこのメッセージを、驚いているその婦人に伝えた。
婦人は、「そうだったのね」と言わんばかりに、今はただ頷くばかりだった。
それから、彼女の目から涙が溢れ、辛そうに泣いた。
私は涙をこらえるのに苦労した。


心が熱を持って痛む時、涙にはいい冷やし効果があるものだ。
霊界とのコンタクトが終わった。
それにしても、何という締めくくりだろう!
申し分なかったように見えた集会が突然こんなことになるなんて!
私は最後の祈りを捧げ、ミディアムの控え室に引き下がった。

その夜は眠れなかった。
「あれでよかったのだろうか? ミディアムの仕事を辞めたほうがいいのではないだろうか?」
私は混乱していて、心が落ち着かなかった。
いつしか眠りについたに違いない。
次の朝遅く目覚めると、体は疲れ果てて、ぐったりしていた。

そのあとは、さらに困惑の日々だった。
何人かの人が電話をしてきた。
ミディアムたちと教会のメンバーたちからだった。
意見は賛否両論だった。

「娘の存在を否定する婦人の希望を尊重すべきだった。
そのことをあなたは受け入れるべきで、婦人をそっとしておくべきだった」と言う人もいたし、一方では、「霊界とのコンタクト(この場合はダイアンとのコンタクト)を通して、ダイアンが母親と和解できるよう最後まで面倒をみるのがミディアムの義務で、これが霊界でのダイアンの魂の進歩を助けることになる」という意見の人もいた。

ひとつだけ確かなことがあった。
私は明らかに人々の注意を引くことができたようだった。
そもそも教会に新しいオルガンを買う資金作りになればと思ってしたことだったのだが、目標よりずっと多くのお金が集まったのだ。
一人一人の感情と、批評と、意見が巻き起こした旋風のおかげだった。


【麻薬で亡くなったダイアンの進歩】

一週間後、ダイアンの母親から電話があった。
彼女の声を聞いても私は驚かなかった。
電話をしてくるだろうと思っていたからだ。

彼女は、娘とのコンタクトの礼を述べた。
彼女は教会から帰宅して、娘が言った通りの場所に小切手帳を見つけたのだった。
婦人は堰を切ったように話をしたのだが、実に驚くべき内容だった。

ダイアンは一人娘で、学校ではすばらしく頭脳明晰な少女だった。
また、非常にかわいい子供だった。
高校に通っている頃、ダイアンは何歳か年上の男性に会い、恋に落ちた。
その男性は既婚者で、それに麻薬中毒者だった。
初めは、「親友にあげる誕生日のプレゼントを買う」とか、「学校で使う本を買う」と言っては、常に両親にお金を無心した。

しかし、両親からお金をもらえなくなると、盗むようになった。
初めは父親の上着や財布から、のちには母親のバッグから小銭を盗み、宝石など家中のあらゆるものを盗んだ。
母親は娘を少しでも理解しようとしたし、父親の怒りから彼女をかばおうともした。
ダイアンは父親にひどく冷たくあたり、怒りに任せて、「本当の父親だと思っていない」と言った。
そういうこともあって、両親の間では口喧嘩が絶えなかった。
ささいなことについてさえも、しょっちゅう言い争った。
ダイアンが夜帰宅せず、どこにいたのか言わないことが一度ならず何度もあった。

ダイアンの母親は画家として成功していた。
彼女は美しい絵を描き、大事な展覧会に出品するために準備中だった。
そんな時、大切な絵が何枚も消えた。
ダイアンが売却していたのだ!
地獄の三年間だった。
ダイアンの父親は、何も言わずに妻のもとを去った。

数週間して、ダイアンは遺体で発見された。
遺体は橋の下で見つかった。
あとでわかったのだが、彼女のボーイフレンドが遺体を捨てたのだった。
検死の結果、彼女は麻薬の使いすぎで死んだとわかった。
ダイアンは身ごもっていた。
母親は完全に神経衰弱になり、精神病院に収容された。
娘の死以来、やすらぎを見い出すことはなかった。
二年にわたるセラピーのあと、彼女は自分を納得させる方法を見つけた。
「ダイアンのことを考えないこと。ダイアンなどこの世に存在しなかった……」

今、婦人はダイアンを許し、二人の心は再びつなかった。
婦人は正常な生活を取り戻した。

「ダイアンが絵について言ったこと、正しかったわ」と、婦人は私に言った。

「また描き始めたの。
来年開催される重要な展覧会に私の作品を展示するという特別な招待を昨日受け取ったんです。
それから、9月27日にダイアンは花を贈るって、ポールさんは言われましたね。
実は、私の誕生日なんですよ!
そして、ウサギのぬいぐるみをダイアンが見せたともおっしゃいましたね。
バニー(ウサちゃん)っていうのが学校でのニックネームだったんです」

婦人は泣き出したが、「これは安堵の涙です」と言った。
彼女は今、再び平和を見い出したのだ。
娘を許し、フラストレーションと混乱と憎しみは、理解と許しと愛にとって変わったのであった。

私は婦人に、電話をしてくれたことと、こんなにもオープンに話してくれたことに礼を言った。
私は自分の頑固さと、彼女の確証を得たかっただけとはいえ霊界とのコンタクトを続行したことを詫びた。

婦人は今、あの晩、あの教会に導かれて行ったのだと信じている。
行くつもりはなかったのに、彼女の友達が連れて行ったのだった。

電話が終わって、私はお茶を飲みに台所へ行った。
すると、私のすぐ前にダイアンが立っていた。にこにこしながら。
今度はたいそう幸せそうに見え、光を強く放っていた。
ダイアンは私に、自分と母親が再びやすらぎを得る手助けをしてくれたことの礼を言った。
彼女は本当に救われたようだった。
進歩の道、学びの道は今や彼女に聞かれていた。
おわかりのように、彼女の罪悪感、恥じる気持ち、母親とコンタクトをとれたらという強い願望が霊界での進歩を一時的に遮断していたのである。

今度は私か泣く番だった。
ミディアムというものは霊界とのコンタクトの間、いつも感情をコントロールしておかなければならないのだが、今回は私的なこととして許してほしい……。
だから私は泣いた。
お茶のあと、ダイアンに心で話しかけ、私は彼女にさらに光のほうへ進むようにと言った。

私は神に祈り、感謝した。
霊界の仕事ができる特典に。
私たちミディアムが毎回働くごとに受け取る助けと祝福に。

私か学んだレッスンとは、ほかのミディアムたちが何と言おうと気にするなということ。
人が何と言おうと。

霊界とのコンタクトの責任は大きい。
ミディアムは確固たる態度を保っていなければならない。
霊界を信じ、真実を貫くのだ。それがどんなことであっても。